アニサキスは加熱後食べても大丈夫なの?危険なの?徹底解説します!

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新鮮で美味しいお魚料理は、私たちの食卓を豊かにしてくれる存在です。

しかし、そんな美味しい魚介類に潜むアニサキスという寄生虫をご存知でしょうか?

アニサキスは、激しい腹痛や嘔吐を引き起こす食中毒の原因となります。

アニサキスって何?

食べたらどうなるの?

加熱後食べても大丈夫?

といった疑問について詳しく解説します。

アニサキスとは? その生態と特徴

アニサキスは、主に海洋生物に寄生する線虫の一種です。

その幼虫は、長さ2~3cm、幅0.5~1mm程度の白色で、肉眼でも確認できる大きさです。

アニサキスの主な寄生先

  • 魚類1: サバ、アジ、サンマ、イワシ、カツオ、ブリ、ヒラメ、イカなど、非常に多くの魚介類に寄生します。特にサバには寄生率が高いことが知られています。

  • 海洋哺乳類: クジラやイルカなどの胃に成虫が寄生し、糞とともにアニサキスの卵が海中に排出されます。

  • オキアミ: アニサキスの卵はオキアミに食べられ、その体内で幼虫に成長します。

  • 魚類2: オキアミを食べた魚に幼虫が寄生し、さらにその魚を別の魚が食べることで、食物連鎖を通じてアニサキスの幼虫が様々な魚介類に広がっていきます。

アニサキスを食べるとどうなる? 激痛を伴う食中毒

アニサキスが寄生している生きた魚介類を生で食べることで、アニサキス幼虫が人の体内に入り込み、食中毒を引き起こします。

アニサキス食中毒の症状

アニサキス食中毒は、主に急性胃アニサキス症急性腸アニサキス症の2つのタイプに分けられます。

1. 急性胃アニサキス症

  • 症状: 食後数時間後(多くは3~4時間後)に、みぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐などが現れます。

  • 原因: アニサキス幼虫が胃壁に侵入し、アレルギー反応や物理的な刺激によって炎症が起こることで発症します。

  • 特徴: 痛みの程度は非常に強く、「七転八倒するほどの痛み」と表現されることもあります。

2. 急性腸アニサキス症

  • 症状: 食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状(腹部の張り、吐き気、嘔吐、発熱など)が現れます。

  • 原因: アニサキス幼虫が腸壁に侵入し、炎症や腸閉塞を引き起こすことで発症します。

  • 特徴: 胃アニサキス症よりも症状が現れるのが遅く、重症化しやすい傾向があります。

アニサキス食中毒の痛みはなぜ起こる?

アニサキスによる激痛は、アニサキス幼虫が胃や腸の壁に「食い込む」からだと想像する方もいるかもしれません。

しかし、実際にはアニサキス幼虫が体内に入り込む際に分泌する物質や、虫体成分に対するアレルギー反応が主な原因と考えられています。

つまり、アニサキスに対する過剰な免疫反応が激しい痛みを引き起こすのです。

アニサキスは加熱すれば大丈夫食べても大丈夫? 

アニサキスは適切な処理を行うことで、そのリスクを大幅に減らすことができます。

1. 加熱処理

  • アニサキスは熱に弱いため、60℃で1分以上加熱するか、70℃以上であれば瞬時に死滅します。

  • 焼き魚、煮魚、揚げ物など、十分に加熱調理された魚介類は、アニサキスの心配なく安心して食べることができます。

2. 冷凍処理

  • アニサキスは低温にも弱く-20℃で24時間以上冷凍することで死滅します。

  • 刺身やお寿司など、生で食べる魚介類は、冷凍処理されたものを選ぶか、家庭で冷凍してから食べるようにすると安全です。

3. 目視確認

  • アニサキス幼虫は肉眼でも確認できる場合があります。

  • 魚をさばく際や、刺身を食べる際には、注意深く観察し、アニサキスがいないか確認しましょう。

  • 特にイカやサバはアニサキスが寄生している可能性が高いので、よく見てから調理、食べるようにしましょう。

  • アニサキスは白っぽい色をしているため、白身魚に寄生している場合は見つけにくいことがあります。注意深く観察しましょう。

4. 内臓の除去

  • アニサキスは内臓に寄生していることが多いため、新鮮な魚介類を選び、速やかに内臓を取り除くことが重要です。

  • 内臓を生で食べることは絶対に避けましょう。

5. 鮮度管理

  • アニサキスの幼虫は魚の鮮度が落ちると、内臓から筋肉に移動する傾向があります。

  • 新鮮な魚を選び、購入後は速やかに冷蔵庫で保存し、早めに食べるようにしましょう。

板前さんのアドバイス

「イカをさばくとアニサキスがよく出てくるんだよ。特に注意して見てるよ。」と、知り合いの板前さんも言っていました。

プロの料理人もアニサキスには細心の注意を払っているのです。

私たちも、アニサキス食中毒のリスクを理解し、適切な予防策を実践することが大切です。

アニサキス食中毒の治療法

アニサキス食中毒の症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

1. 内視鏡によるアニサキス虫体の除去

  • 胃アニサキス症の場合、内視鏡検査(胃カメラ)でアニサキス幼虫を確認し、鉗子(かんし)で摘出することで速やかに症状が改善します。

  • 腸アニサキス症の場合、内視鏡での摘出が難しい場合もありますが、薬物療法や対症療法が行われます。

2. 薬物療法

  • アレルギー反応を抑えるための抗アレルギー薬や、炎症を鎮めるためのステロイドなどが用いられることがあります。

  • 腸アニサキス症の場合、腸閉塞の治療薬や抗寄生虫薬が使用されることもあります。

3. 対症療法

  • 痛み止めや吐き気止めなど、症状を緩和するための薬が用いられます。

アニサキスは1週間程度で死滅し、症状も自然に治まることがありますが、激しい痛みに耐えるのは非常に辛いものです。また、重症化を防ぐためにも、早期に適切な治療を受けることが大切です。

まとめ:アニサキス食中毒を防いで魚料理を楽しもう!

アニサキス食中毒は、適切な予防策を講じることで防ぐことができます。

  • 加熱調理(60℃で1分以上、または70℃以上で瞬時)または冷凍処理(-20℃で24時間以上)でアニサキスは死滅し、食べても問題ありません。

  • 新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除き、目視でアニサキスの有無を確認しましょう。

  • 生食する場合は、冷凍処理されたものを選びましょう。

アニサキスを恐れるあまり、魚介類を避けてしまうのはもったいないことです。

正しい知識と予防策を身につけ、美味しい魚料理を安全に楽しみましょう。

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